GUMKA工房記

GUMKAミニチュアの備忘録を兼ねた日常記です。

人は変われる…

駅間近に移転する前の店舗は、
駅から徒歩10分弱の住宅地の中にありました。

一応、寿司屋や魚屋、酒屋だのが並ぶ通りにあり、
当店の左隣が鶏肉店、その隣が豆腐屋でした。

あるとき、手に鍋を持ったお婆さんが来て、

「絹漉し、1丁頂戴」

ああ、お婆ちゃん、勘違いだね、

「うちは模型屋ですよ、豆腐屋さんは二軒先ね」

ところが、お婆ちゃん、ちょっとボケているらしく、その後も、

「絹漉し、1丁頂戴」、「焼豆腐、1丁頂戴」、「木綿、1丁」etc

欲しい豆腐は変われど、しばしば間違えて当店に来ます。

別に以前、うちの場所に豆腐屋があったとか、
豆腐屋さんと店構えが似ているわけではありません。

そのたびに、

「うちは模型屋ですよ、豆腐屋さんは二軒先ね」

すると無言で出ていく…

こんなことが数ヶ月、続いたある日、
いつものように、お婆ちゃんが鍋を手に来店。
今日は、木綿かな?絹漉しかな?
この前は揚げ豆腐だったので、それはないだろうな、
などと思いながら、注文の台詞を待っていると、
ぐるりと店内を見回して、

「ここは模型屋さん、豆腐屋さんは二軒先…」

自ら、そう言い、くるりと背を向け、出て行きました。

おお、お婆ちゃん、学習能力があったのか、
完全にはボケていなかったのか?!
ちょっと、感動しました。
人は何歳になっても変われるものだと!


その三日後、また来て、

「ここは模型屋さん、豆腐屋さんは二軒先」

…しばらく、この状態が続きました。

どうして、アンタは、ストレートに豆腐屋に行けないんですか?!