GUMKA工房記

GUMKAミニチュアの備忘録を兼ねた日常記です。

真鍮の針金

サラリーマン時代、職場の先輩が遭遇した御客さんです。

年齢は30代半ばくらい?、メガネといい、服装といい、
髪型といい、鞄といい、デザイナー、もしくは芸術家な感じの男性でした。

「…すいません、真鍮の針金、ありますか?」

「はい。こちらですね。太さが何種類かございますが」

「あ~、こうじゃなくて、何ていうのかな?巻いてない真っ直ぐなヤツ?」

「ああ、真鍮ロッドですね。こちらです」

「う~ん、こんなに長くなくて、もっと短いヤツ、」

「真鍮線ですか?それなら、こちらですね」

「いやいや、もっと、こう、平らな感じ?わかる?」

「えーと、真鍮の平棒ですか?それなら、こちらです」

そろそろ、この辺りで不安を覚えたそうです。
お客さん、平棒を手に、首を傾げながら

「もっと、幅広いのないの?もっと薄くて?」

「えーと、そうなりますと、真鍮板になりますけど…」

恐る恐る、真鍮板を出すと、

「ああ、あるじゃない、そうそう、この針金を捜してたんだよ!」
さすがだね!他じゃ全然、通じなくてね」

いや、「真鍮の針金」と言って「真鍮板」出す店は、たぶん、ないと思う。