GUMKA工房記

GUMKAミニチュアの備忘録を兼ねた日常記です。

香港の真珠商との思い出

今から2年前、香港に住む大学時代の友人O君の紹介で、ある香港人と都内で会いました。

陳氏は真珠商。世界的に高級品である日本産真珠を輸入して香港で加工し、
ヨーロッパやアメリカに輸出する一方、中国の淡水真珠の輸出と、
海水真珠の養殖に投資もしているそう。

木とアクリルパイプで、原寸大の古式銃レプリカを作るのが趣味で、
古いホビージャパン誌に1/1の銃をスクラッチする記事があり、
それに影響を受けて始めたそうです。
最近は仕事が忙しくて製作していないものの、
自宅には木工旋盤もある本格派です。

たまたま、O君が陳氏の会社に出入りしており、
社長室の壁に飾ってあった自作古式銃をきっかけに模型の話になり、
同級生が香港の模型メーカーの製品開発を15年以上も続けている、
と話したら、ぜひ紹介して、と頼まれたとのこと。

宝石関係というイメージから、太っていて、光りモノをジャラジャラで、
成金趣味全開な人を想像して会ったら、地味な麻製スーツを着こなす、
スマートな紳士でした。正直にそれを話すと、向こうも笑いながら、

「いかにも、お金を持っていますという格好では、
中国や香港では、買い物でぼったくられたり、
スリに目を付けられて危険です。
だから、今回の出張も気を付けました」

「あ、そうでした!、ここは日本でしたね。成田に着いてから、
一度もぼられなかったのは、この服装の御陰と思っていましたが、
日本には、そんな悪い人はいないんですね。いや、良い国ですよ(笑)」

その語り口や、話を進めながら相手を観察する様子、
冗談のレベルから、頭の良い人物であることが知れます。

夕飯の御招待につられて、会うことを決めたので、某懐石料理店へ。
自腹じゃ、都内で座敷懐石なんぞ、絶対に食えませんって。

彼は、中国沿岸での真珠の養殖プロジェクトに投資していますが、
技術指導員の手配や水質調査、加工技術向上のための研究にも手を貸しているそうです。

養殖や真珠の加工指導のために、日本から加工技師を招くものの、
中国人スタッフとうまくいかず、場合によっては大喧嘩になることも。
せっかく、日本から来てもらったのに、不愉快な思いをして
帰国されては、お互いのために良くないので困るそう。

「貴方は、香港人と物作りビジネスを長く続けていますが、その秘訣はなんですか?」

これまで中国と取引している国内企業からは、よく尋ねられた質問ですが、逆側からは初めて。

「お互いに期待しないこと。違う御飯たべている奴だと認識し合うこと。
冗談を言い合うこと。笑い合うこと。過干渉しないこと。そんなもんです」

そもそも、国民性や生活習慣の違う人同士が仕事をするのだから、
うまく行くほうがおかしいと考えればいいだけ。
まあ、私も悟るまでは、結構、長い間、イライラしましたけどね(笑)。

あとは、少年時代に作ったタミヤのプラモデルの話や、
古式銃レプリカ製作のきっかけになった今はなきLSの1/1ハンドガン・プラモデルの話。

LSが倒産したと聞いたときは、仕事を放り出して、香港中の模型店を駆け回って、
ストックを買い集めたそうで、モデラーのやることは万国共通です。

個人的には、とっても楽しい三時間でした。