GUMKA工房記

GUMKAミニチュアの備忘録を兼ねた日常記です。

あの頃の日本…

香港在住の友人O君から、夜遅く話がありました。どうやら軽く酔っています。

 
「今度、いつ、こっち来るの?全然、来ないじゃん!」

「せっかく、美味しい店とか開拓して、待ってんでからさぁ~」
 
香港出張は副業&自分の趣味でもある、
プラモデル開発絡みですが、
この不景気のせいで、各社とも販売数が、
びっくりするくらい落ち込み、いろんな企画が縮小、
もしくは凍結&延期されています。
 
去年は6月までに4回も出張したのに、
今年は1回もなし。
 
ただ私、香港に行くと、つい食べ過ぎて、
3~5kgも太るのが恒例なのに、
去年は減量する前に、次の出張に行くという、
最悪のパターンで体重が増えまくりでした。
 
出張がない御蔭で、今年は標準体重を維持でき、
極めて健康なので、これはこれで良かったかな?と
 
…てな話を彼としつつ、世間話&昔話へ傾れ込みます。
 
現地資本の企業で働き、香港人の奥さんをもらい、
永住権まで獲得した彼は、帰国を前提とした
日本企業の駐在員らとは、どうも馴染めず、
現地の日本人会には無加入で、
数人の親しい友人以外とは、
日本人と付き合わない生活を続けてきました。
 
やがて、地元にすっかり溶け込み、醸し出す雰囲気も、
もはや香港人となったのですが、そんな彼がポツリと
 
「50歳を過ぎたら、やたら日本が気になってさぁ」
 
もちろん、香港でも日本食は食べられるし、
スーパーでは、オデンダネや蕎麦、寿司も売られており、
日本の本や雑誌も、大体は買えます。
 
今までもホームシックになるときもありましたが、
日本食を食べたり、日本語の本を読んだり、
日本の音楽CDを聞いて、紛らわしてきたそうです。
 
「この前、近所の汚い露店で朝飯食っていたら、
そこの店主が、景気はどうか?って話しかけてきてさぁ」

「あれ?この感じ、昔どっかであったな?って突然思ったわけ。
どうでもいい、どこにでもある日本の日常風景が懐かしいって」
 
いつも陽気な彼らしくないです。
 
飛行機で5時間足らずで帰国できるんだから、
いつでも戻ってきて、祖国の空気を吸って、
懐かしい友達や近所のオジさんや爺さんと、
馬鹿話をしなよ…と慰めたところ、
 
「う~ん、違うんだよ。今の日本じゃなくて、
俺が、まだ学生や公務員だった頃(の日本)が懐かしいんだよ」

「思い出の喫茶店や食堂、学校帰りの商店街の街並み、
朝から騒音を出してる住宅地の小さな工場…」

「今みたいに小奇麗じゃなくて、
猥雑なのに、背伸びしてちょっと気取っていた、
あの頃の日本なんだよね…
お前もないか?そういう懐古趣味みたいな感覚?」
 
もちろんあります。
そうじゃなきゃ、KH250とかGSX250Eとか乗ってないです。
きっと誰にでもあるでしょう。
 
でも異郷に住む分、彼の方が、昔の祖国への思いは強いのでしょうね…
 
おそらく彼は、急激に進化変貌する日本がなんとなく肌に合わず、
懐かしい風景を求めて、アジアを放浪し、香港に居を構えたんだと思います。
 
そして今や香港もどんどん変わり、
彼の好きだった懐かしい空気がなくなりつつあるのかもしれません。
 
お互い、明日も仕事があるのに、夜中まで話し込んでしまいました(反省)