GUMKA工房記

GUMKAミニチュアの備忘録を兼ねた日常記です。

地下鉄の車内で…

都内に用事があるときは、南流山駅からつくばエクスプレスか、
新松戸駅から常磐線か、地下鉄千代田線を使います。


去年の晩秋の話です。

千代田線の新御茶ノ水駅から乗ってきたのは、
30代半ばくらいの母親と小学6年生の男子。

二人で並んで、私の隣に座るやいなや、お母さんが、
周囲にお構いなしに、息子さんを叱り始めます。

どうも、来年(つまり、今年ね)、私立受験をするため
新御茶ノ水駅界隈の進学塾に通っており、
この日は、そこの親子面談があったようですが、
結果が良くなかったらしく、「何もそこまで言わなくても…」
と思うようなキツイ言葉で、息子さんをなじり続けます。

「あんたには失望した!」

「●●●中学どころか、▲▲付属中も無理だなんて、
もう、この時点で、あんた負け組確定だよ」

「これからの人生どうすんの?」

「あんたに幾ら掛けたと思っての? 返してよお金、本当にもったいない」etc 

こんな嫌になるような文句を延々と言っています。

息子さんは、小声で「ごめんなさい」を言い続けており、
その様子が、余計に可哀そうでした。

やがて、お母さんはバッグから「保護者の皆さんへ」と書かれた、
塾で渡されたであろう冊子を取り出し、それを息子さんに渡し、

「私は、これから読書の時間だから、あんたは、
先生からもらった、この本をちゃんと読んで、
あとで、私に説明しなさい、わかったね!」

え?、それはアンタが読む冊子じゃないの?

息子さんは頷くと、その冊子を読み始めます。
お母さんはバッグから、一冊の本を出して、
真剣に読み始めました。

隣に座る私には、本のタイトルがわかりました。

関暁夫の都市伝説4」

他人様がどんな本を読もうと自由勝手ですが、
この本を読むことは、息子の通う塾の冊子に目を通すより、
大事ですかね?

こう言ってはなんだけど、こんな本を真剣に読んでいる人に、
人生を否定されたら、子供が可哀そうです。

横で一生懸命、「保護者の皆さんへ」の冊子を読んでいる彼を応援したくなったのは、
私だけではないと思います。