GUMKA工房記

GUMKAミニチュアの備忘録を兼ねた日常記です。

小さな観察者

ようやく、猛暑の夏も終わり、急速に秋らしくなってきました。CB400LCも夏の間は、いじる気もしなかったですが、やっと、気持ち良く作業ができる気候となりました。この連休、ガレージのシャッターを開けて、細かい作業をボツボツとやっていたら、背中に視線が…

よく、地元のおっさんや老人が黙って、ず~っと作業を見ているんで、興味があるのかな?と思い、こっちから「こんにちは、」と挨拶すると、なぜか無言で立ち去るというのが、この地域の定番パターンなので、どれ、いつものように…と振り返ると、立っていたのは小学校3~4年生くらいの少年でした。人の顔を見るや、元気一杯に

「こんにちは!見てていいですか?」

もちろん、いいよ~と返事をすると、寄ってきて、

「何をやっているんですか?」

「バイクを直しているんだよ」

「これが、おじさんの仕事ですか?」

「いや、趣味だね」

「直したら、売るんですか?」

「いや、自分で乗るんだよ」

「いつ直るんですか?」

「わからない。でも、完成まで、そう遠くはないよ」

「予定を立てて、直さないんですか?」

「(え?!)いや、趣味だから気のむくまま、気分次第だよ」

「ボク、いつも、ちゃんと予定を立てて行動しろって、お母さんから怒られる」

「若いうちは、その方がいいよ。人間は大人になると、自分に甘くなるからね」

こんな調子で、ず~~と質問攻め。

実は、私も子供の頃は、この少年と同じでした。

生まれ育った千葉県市川市の京成線鬼越駅周辺には、ニッケ(日本毛織)の大きな工場があった関係で、下請け工場や縫製作業所、仕立屋が沢山ありましたが、それ以外にも、小さな革鞄の工場や木工所、ガラス工場、缶詰工場、鋳物工場、同級生のお父さんが経営していた絵具工場、狭い敷地に牛数頭を飼育していた酪農家、自宅の土間に射出成型機を置き、家族で作業していたボタン屋、見習いの小僧を何人も使っていた大きな自転車屋セキセイインコのブリーダーの母娘、延々と型抜き作業をしている老夫婦、指物師の老人、露天の鋳掛屋etc

見ていて飽きない対象が山のようにあったので、日替わりで観察していました。

大半の大人は「向こうに行け」「邪魔だ」と、私を追い払いましたが、中には、いろいろな事を教えてくれたり「坊主、これ売り物にならないから持って行け」と製品をくれる人もいました。好奇心旺盛で、世間話が得意な性格は、この経験から生まれたと思います。

そんな私が、いつの間にか、教える側になっていました。

少年の興味は尽きず、質問は、使っている工具やバイクの構造に。その眼は羨ましいほど、キラキラと輝いています。

20分以上、話していたでしょうか?「そろそろ行かなきゃ!」と急に慌て始めました。飼っている犬のために、ドッグフードを買いに行く途中だったそうです。

「また、来てもいいですか?」

ああ、もちろん、いいよ。 

何だか、とっても嬉しかったです。