GUMKA工房記

GUMKAミニチュアの備忘録を兼ねた日常記です。

自転車屋の女将

先月下旬、虫ゴムを交換した自転車に乗っていたらパンクしました。運良く、虫ゴム買った自転車屋の近所だったので、炎天下、5分ほど自転車を押しながら、お店へ。

到着すると、すぐに店の引き戸が開いて、土屋アンナが歳とった感じの自転車屋の女将が「どうしたの?」

パンクしたと言うと、すぐ自転車を店内に入れて修理開始。てっきり置いて行って、後で回収かと思っていたので、これは嬉しかったです。

「…この前は、ゴメンね、うちの亭主、バイクの話を始めると止まんなくてさぁ」

あ~、いいですよ、気にしないでくださいとか言っているうちに、タイヤとチューブが外されています。恐ろしいほど手際は良いです。

「ちょっと、このタイヤの脇を見てよ。もうすぐ限界だよ。どうする?いい機会だから、早目に替えとく?」

じゃあ、そうして下さい、と答えると、

「乗るお客さんのためを思って、こうやって交換を早目に進めるんだけど、わかってくれない人も多くてさぁ。中には売り付け商法か!とか怒る人もいて、こっちが悲しくなっちゃうよね」

そこに、「私は、まっとうな社会人ではありませんが何か?」という風体の50代後半の男性が入ってきて、

「なあ、旦那いる?」

「二階でTV見てるわよ」

「良かった~、アパート、電気止められたまんまだから、暑くてさぁ、ちょっと涼ませてもらうわ」

俺は反原発の立場だから、電力会社に電気代を払う義務はないんだ、という無茶な理屈を説きつつ二階へ。

女将、小さく溜息。

「……」

しばらくの沈黙。

「……」

修理は無事終了。

「じゃあ、2800円ね」

3000円渡して、お釣りはいらないと言いました。

「ありがとう~ じゃ、これで缶コーヒー飲むわ」

自転車を外に出して、ありがとうね~と言ったら、すぐ自販機へ。

外は相変わらずの炎天下夏の日差しを浴びて、缶コーヒーを飲む女将の顔が本当に幸せそうでした。いろいろあるみたいだけど、きっと、この女将は幸せなんだろうな。