GUMKA工房記

GUMKAミニチュアの備忘録を兼ねた日常記です。

再生産されたOCR1000は登録できるのか?その1

今年8月、ロータリーバイク「OCR1000」を生産しているオランダのOCRモーターズの代表者であるロータリーマイスターこと、アンドリース・ヴィエリンガ氏よりメールが届きました。

「自分のバイクを1~2台でいいから日本でも売りたい」

「適切な販売代理店はどこだと思う?」

「広告を掲載するとしたら、どのバイク雑誌がいいだろうか?」etc

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 私が神と崇める人物なので、こんな名誉なことはありません。全力でお手伝いさせていただきます!というわけで動き始めたのですが、バイク業界の方々から言われたのが「この再生産されたOCR1000は日本の公道を走れるのか?」以前、1/12でOCR1000をキット化しようとしたときも同じ話は聞きました。販売代理店や広告掲載誌の前に確かめねばなりません。

 簡単に説明しますとOCR1000は、オランダ人実業家Hendrik Van Veen氏によって開発され、西ドイツ(当時)の工場で1977年から生産が始まったものの、高すぎた価格が災いして僅か38台で生産は終了し、1981年に工場も閉鎖されましたが、その後、オランダのOCRモータースが残された未組立の11台分の部品を引き取り、ブレーキなどの一部の部品を現行品に変更して生産を再開し、2012年からデモ車1台を除く10台を販売すると発表しました。お値段は約800万円と高額ですが、今のところ2台が売れたそうです。

 ロータリーエンジンを搭載するOCR1000を日本で販売する際、最大の問題は排出ガス規制です。つい最近も2016年に決まった厳しい新基準の猶予期間が今年9月に切れるため、規制をクリアーできないホンダの名車モンキーが製造中止になったという報道もありましたが、バイクの排出ガス規制は1998年から始まり、それ以前に生産されたバイクは規制適用外のため、排気ガスに問題のありそうな2スト車やロータリー車、ターボ車でも普通に登録できて公道を走れます。



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 OCR1000も1977年から81年までに製造された38台が中古車として輸入された場合は、何の問題もなく登録できます。

 しかし、再生産されたOCR1000には、2006年以降の排出ガス規制が立ちはだかります。日本が議長国を務めた地球温暖化防止のための京都会議の議定書発効が2005年からだったため、バイク業界から「悪夢」と呼ばれた2006年の規制は、1998年規制値の70~80%減という大変に厳しい数値でした。当然、国内メーカーも猛反発しましたが、結局は議長国の面子に押し切られます。

 この数値をキャブレターでクリアーするのは無理だったので、FI化できなかった多くのバイクが翌2007年までに生産中止に追い込まれました。

 次いで2012年に新しい規制が導入されますが、これは京都議定書の削減期間が終了したことで穏やかな数値となったものの、2016年規制は欧州の水準を合わせることを目的に、2012年規制の約半分という再び厳しい数値が設定されました。OCR1000は1970年代のキャブレター車のため、そのままだと2016年規制はおろか、2006年規制すらクリアーできません。

 ここで悩ましいのは、1970年代に生産された部品を組み立てたOCR1000は、再生産が開始された2012年のバイクとなるか、はたまた1970年代のバイクなのか?という事です。

 この登録と製造年の問題を様々な方に質問したところ、バイク雑誌のライターやメーカーOBの方は「これから輸入されるバイクは2017~2018年の新車になるから、2016年規制をクリアーできず登録は無理だよ」と言い、日本唯一のOCR1000の実動車(1981年式)を所有されている牛山さんからも「(新車の登録は)厳しいんじゃないのかな?」とのお言葉をいただきました。

 一方で中古バイク売店や旧車専門店の中には「やり方によっては通る」「俺なら通せる!」と主張される方や「そういうことは●●●モータースならできるんじゃない?」などの怪しげな情報を囁く方もいて意見が分かれたので、最終手段として管轄省庁である国土交通省に確認することにしました。

(続く)